
多くの人が感染するHPVとは?
HPV(ヒトパピローマウイルス)は150種以上のウイルス全体の名称で、約80%以上の人が生涯で一度は感染するウイルスです。
その為、一度はウイルスが体に入った可能性が高いのですが、これほど多い理由はキスやオーラルセックス、性交など皮膚と皮膚の接触により感染するためと考えられます。
ただ初めてHPVに感染している時であっても、大抵は免疫系がウイルスを処理してくれるため、何の症状も見られないですし、ほとんどの場合は2年以内に自然に消滅するのです。
また感染から抜け出せなくても症状が出ないことが多いのですが、性器などに肌色や白色のイボがひとつまたは複数現れることがあります。
これによりHPVに感染してると分かることがあるのです。
そのイボは小さいものや大きいもの、盛り上がったもの、扁平なものなど様々で、痛みはしませんが不快に感じることは間違いありません。
ただしHPVにはローリスク型とハイリスク型の2つがあって、感染してると分かる性器のイボの大半はローリスク型で、重大な問題を引き起こすタイプではないのです。
また性器イボを引き起こすHPVは6型と11型の2種類で、厄介なイボは処方薬のクリームで治療したり、切除したりする方法がありますし、ひとりでに消滅することもあります。
ハイリスク型HPVはがんにつながる
ほとんどの人は問題が発生するまでHPVに感染してると気づかないのですが、そのことがハイリスクにつながることもあるのです。
実は、極稀ですが感染が継続したために、子宮頸がん・性器のがん・頭頸部がんなどHPV関連のがんを発症する人がいます。
ウイルスは皮膚をおおっている細胞だけではなくて、体内の細胞にも入り込んでウイルスの増殖を抑制する細胞の力を破壊するのです。
普通はそのように能力を失った細胞については免疫システムが取り除くのですが、それができない場合も時々あります。
そうすると前がん性の変異につながって、最終的に完全ながんになるというのが、HPVに感染してることによりがんになるメカニズムです。
HPVはめったに症状が出ないのですが、毎年約2万3000人の女性と1万6000人の男性がHPV関連のがんと診断されると言われています。
その為、定期的に診察と検査を受けることが大切で、その検査により子宮頸部の異常な細胞や前がん性の細胞の有無が確認できて、ハイリスク型HPVに感染してるかどうなのかが判断できるのです。
その結果、早い段階で適切な治療を受けられて、ハイリスクを回避することが可能になります。